忍者ブログ
為替仲介サービス業者・FX(為替証拠金取引)業者・FX取扱証券会社
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

勝つドル・負ける円
若林 栄四 /大竹 愼一
フォレスト出版 刊
発売日 1999-03




キワモノとして読むと生産的な理解は得られないでしょう  2003-04-03
強烈な興味を持ったのはほかでもない,僕のような素人の疑問を東銀為替部出身の若林もまた抱いていたから。「なぜドルがいま上がっているのかという質問に対して,『みんながドルを買ったからドルが上がったのだ』という回答がなされる。この答えは一見して非の打ち所がなく正しいようだが,論理的に考えればまったく間違った答えである。/なぜなら,ドルが上がっている相場でも,ドルを買う人だけでなく売る人も存在している。ドルを売る人がいるから売買が成立して,その結果としてドルの対円価格が付くのである。ドルを売る人がいなければドルは買えないという単純な理屈を考えても,ドルを買いたい人がたくさんいかたらドルが上がりましたというのは,ロジックとしておかしいことが分かる」(若林???316‐7頁)。若林の答えは,「『相場は神様がやっているのだ』と答えるしか道はない」(318頁)。なんじゃこりゃ。東銀為替部で経歴を積み上げ,ニューヨーク支店次長まで登りつめた人物が吐いているとは思えないが,吐いているのは事実。教科書にあった為替の説明なんてじつに分かりやすいけれど,現場では通っていない理屈だったのね。 私がちょっと腑に落ちなかったのは,欧米を理想規範として日本の失態を切り捨てる論法。たしかに,欧州では陸続きで国が隣国と接しているために,為替は生活に密着しているので(為替次第で買い物行動には大きな差が出る),為替の理解も日本とは格段の差があるというのは理解できるとしても,“僕らは平家で欧米の連中もみんな平家,一部の日本人だけが源氏だ”というのは,読者に対する分かりやすさの便宜としてであっても許されない。これじゃまたぞろ“欧米は素晴らしい,翻って日本は…”的朝日新聞論調がまかり通ってしまう。せっかく日本史の固有名詞で本書を組み立ててるんだから,ちょっとは救いの手があってもいい。


さらに詳しい情報はコチラ≫


PR
忍者ブログ [PR]